ゆうかは、一見どこにでも居る普通のOLで、今日は休日で、親友のきみとショッピングに来ていた。
ショッピングを済ませて、帰路に着く二人。人気の少ない並木道に差し掛かったところで、突然木の陰から数人の怪しい男達が現れ、二人を取り囲んだ。覆面レスラーの様なマスクを被り、全身マスクと同じ柄のウェットスーツの様な服を纏っている。
「きゃっ!な..何っ?!」
きみは驚きと恐怖で、思わずゆうかにしがみついて来る。しかし、ゆうかは意外と落ち着いている。彼女は、彼らが何者かを知っていたからだ。
(な..ナーワー帝国?!...)
突然現れた男達は、地球侵略を狙う悪の組織、ナーワー帝国の戦闘員である。そしてゆうかは、実は、ナーワー帝国と闘う正義の戦士、緊縛戦隊シバラレンジャーの一人、シバラレピンクなのだ。
(だ..だめっ!きみの見ている前じゃ変身できないわ....)
ゆうか達シバラレンジャーの正体は極秘の為、人前で変身はできない。そして、変身する前のゆうかは、どこにでもいる普通の女の子でしかなかった。
「それっ!縛り上げろ!」
「あっ...あんっ!」
普通の女の子が、悪の組織の戦闘員に適う筈も無く、ゆうか達は両手を背中高くまでねじあげられ、厳しく縛り上げられてしまった。
「や..やめて.....むっ!むむむむんっ!」
ゆうか達は、更に猿轡も噛まされ、そのままナーワーのアジトへ連れ去られてしまった。
ゆうかは一人、アジトの一室に監禁されていた。両手はきつく後ろ手に縛り上げられ、膝と足首も縛られていた。口には、がっちりと猿轡が噛まされている。
『な...何とか、この猿轡を外さなくっちゃ!』
ゆうか達シバラレンジャーは、後ろ手に縛り上げられる事によって、超人的な力を持つ戦士に変身することができる。しかし、その時に変身用のペンダントに音声入力をしなければならないため、猿轡をされていると変身ができないのだ。ゆうかは床に顔をこすりつけて、猿轡を外そうとする。
「むん!...むむむむむっ!むぐっ!....むっ、はっ...外れたっ!」
ゆうかは縛り上げられた不自由な体で、なんとかその場で立ちあがる。
「シバラレ・チェンジ!」
ゆうかの声に反応し、胸のペンダントが激しく輝く。縄は飛び散り、ゆうかの体が光に包まれる。その光の中から、ノースリーブのピンクに青い模様の入ったレオタードに身を包み、バイザーと耳当てが主体のシンプルなマスクを付けた、一人の女戦士が誕生する。
【第1話】 登場!5人の緊縛戦士達!