「ま...負けたくないっ!こ、この幻縛獣にだけは、絶対に負けたくないっ!...あんっ!誰かっ!ゆうかに...ゆうかに力を貸してっ!」
その時、天空から白銀に輝く光の玉がジャルバス将軍めがけて飛び込んでくる。ジャルバスは派手に突き飛ばされ、その反動でシバラレンジャー達の金縛りが解ける。そして、光の玉は一人の戦士へと姿を変えていく。
「純真で清らかな子供達、その子供達を想う優しい心、それを土足で踏み躙る悪党ども!この白銀の騎士が許しはしない!」
「白銀の騎士様っ!」
「おのれ〜っ...また、貴様かっ!」
白銀の騎士は、右手を天に翳して叫ぶ。
「次元聖獣ギルディオン!」
激しい雷鳴と共に空が真っ二つ裂け、その中から鳳凰型ロボット、ギルディオンが現れる。
ギルディオンは火の鳥となって、ポイズマスを吹き飛ばす。続いてシバラレクイーンの周りを素早く旋回し、彼女を縛り上げている触手を切り払う。ゆうかの体に自由が戻る。
「今だ!シバラレピンク!」
「は、はいっ!」
ゆうかは両手を高々と上げる。
「緊縛剣!」
シバラレクイーンの手に、光の剣が現れる。
「緊縛剣!縄の舞い!」
ゆうかは剣を十字に振る。切先から光の縄が発せられ、ポイズマスを絡め取る。
「クイーン・フィニッシュ!」
ゆうかは剣を突き出す。剣はそのまま光の矢となってポイズマスに突き刺さる。凄まじい光がポイズマスを包み込み、光と共にその姿は消滅する。
「お...おぼえてなさいっ!」
お決まりの捨て台詞を残して、コマンダー・ミキ、ジャルバス将軍、ドクターb.bは姿を消す。
ゆうかは後ろを振り返る。
「やりました!白銀の騎士様...」
しかし、白銀の騎士の姿は、もう何処にも無かった。
「白銀の騎士様...あなたはいったい誰なのですか?何故、いつもあたし達を助けてくれるんですか?.....」
公園には、いつもの子供達の笑顔が戻っていた。ゆうかを始め、まゆみ、華汝、のりこ、胡摩も子供達と一緒に鬼ごっこに加わっていた。そして、5人とも男の子に捕まってしまい、後ろ手に縛り上げられてしまった。しかし、先程とは違い、皆とっても楽しそうに遊んでいるのであった。