「あっ!.......ああんっ!」
遂に、まゆみもこの糸に捕らえられ、華汝と同じ様に手足を縛り上げらてしまう。
「あん!.....まゆみっ!」
部屋中の中は、無造作に張り巡らされた糸で何年も放置された廃屋の様に、蜘蛛の巣だらけになっている。その床に、後ろ手ではないものの縛られて自由を封じられた、二人のシバラレンジャーが転がっている。
「うん!.....だ..だめっ!本当に切れない......あんっ!」
まゆみも懸命にもがくが、やはりどんなに力を込めても糸はびくともしなかった。すると、先程まで壁の上方から糸を噴いていた蜘蛛が、すばやく壁を這って下に降りて来た。そして、どんどんまゆみに近づいて来る。
「んっ!......こ....今度は、......な...何をするつもりっ?!」
蜘蛛に問い掛けても、答えが帰って来る筈は無い。まゆみの声が聞こえているかどうかは分らないが、蜘蛛は無視してまゆみの体をよじ登って来る。
「やん!......やめてっ!」
何をされるか分らないが、決して自分にとって好ましい事でないことは予想が付く。まゆみは必死に呼び掛けるが、蜘蛛が聞いてくれる訳も無い。蜘蛛は、まゆみの背中に回り込み、上腕部を縛った糸のちょうど裏側の中央で止まる。そして、そこから2本の糸を噴いた。
「....?!......」
糸は、それぞれ右と左の手首に絡みついた。蜘蛛はその後糸の出射口を上腕部を縛った糸に押し当て、手首を縛った糸の先を背中の部分の糸に貼り付けた。そうして、今度はその糸に口を近づけ口から霧状の液を噴出す。霧状の液は、背中と両手首を繋ぐ糸だけに噴き付けられた。
「.....あっ!」
次の瞬間、液を噴き付けられた部分の糸が急激に収縮し始めた。そうなると、まゆみの両手首は背中の上方に引き寄せられて行く。
「あっ!......あんっ!」
収縮の速度が速い為、かなり強い力でまゆみは両手を後ろ手高手小手に捩じ上げられる形になった。強い痛みが走り、思わず声を上げて悶え喘いでしまうまゆみ。
「はああんっ!んふんっ!」
蜘蛛は、間髪入れずに後ろ手高手小手に固定された、まゆみの手首に糸を噴き付ける。
「ああっ!.......あんっ!」
とうとうまゆみは、後ろ手高手小手に厳しく縛り上げられてしまった。これでもう、シバラレンジャーの力も使えない。
「あん!.....まゆみっ!」
まゆみを縛り終えた蜘蛛は、今度は華汝の方に近づいて来る。
「い.....いやっ!来ないでっ!」
何とか逃げようとする華汝だが、手足を縛られていては逃げ様も無い。たちまちの内に獲りつかれ、まゆみと同じ様に後ろ手高手小手に縛り上げられてしまう。
「ああん!.......んっ!ふうんっ!」