ミキはうっすらと笑みを浮かべ、ゆうかの周りをゆっくりと一周する。そして、戦闘員達の方に目をやる。
「お前達、さっきはシバラレピンクにひどい目に合わされてたわね。ここで、さっきのお返しをしてあげなさい。」
「キーッ!」
そこに居た戦闘員達は、先程ゆうかにノックアウトさせられたメンバーだった。戦闘員達はこれ幸いとばかりに、縛られて抵抗できないゆうかにいたずらを始めた。ある者は胸をもみ、ある者は大事なところを撫でまわし、ある者はお尻に軽いムチ打ちをしたりしている。
「あっ!...あんっ!...いやっ!...やめてっ!」
責め自体は辛い物ではなかった。しかし、先程は手玉に取った戦闘員に、今度は何の抵抗もできずに弄ばれている。耐え難い屈辱感がゆうかを襲っていた。
『あん!...後ろ手に縛り上げられてさえいなければ、こんな連中には負けないのに...悔しいっ!』
ミキは、戦闘員に弄ばれながら懸命にもがくゆうかを、満足そうに笑みを浮かべ眺めていた。そこへ、一人の戦闘員が駆け込んで来て、彼女の横に立った。
「コマンダー・ミキ、ジャルバス将軍がお見えになっています!」
「将軍が?!」
少し怪訝そうな顔をして、ミキは部屋を出ていった。

その頃、ナーワーのアジトの前に一人の少女が駆けつけていた。シバラレイエローこと胡摩である。胡摩はゆうかの妹分で、普段は理科系の大学に通っている、発明好きな女子大生である。ゆうか達が付けている特殊なペンダントは、変身能力の他にピンチの時には救難信号を発して、他の仲間に自分の位置を知らせることができるのだ。
「ゆうか姉さんはあの中に捕まっているのね。変身しなくっちゃ!」
胡摩は両手を背中で組む。右手には自ら開発した、携帯用自縛装置が握られている。シバラレンジャーは、後ろ手に縛り上げられないと変身する事ができない。そのために、彼女達は常にこの携帯用自縛装置を所持しているのだ。
胡摩は自縛装置のスイッチを押す。スイッチの反対側にある穴から細いロープが飛び出し、彼女の手首に絡み付く。胡摩は、たちまち後ろ手に縛り上げられる。
「シバラレ・チェンジ!」
胸のペンダントが彼女の叫びに反応し、激しく輝く。縄は飛び散り、胡摩の体が光に包まれる。その光の中から、黄色いコスチュームに身を包んだ、一人の女戦士が誕生する。そしてシバラレイエローはゆうかを救出すべく、単身アジトの中へ乗り込んで行く。

アジトの司令室。中央モニターの前で腕組みをしている、前身鎧のような男の後ろから、コマンダー・ミキが入ってくる。
「これはこれは、ジャルバス将軍。こんな所へ何のご用で?」
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