「ああっ!...あんっ!」
ミキは雁字搦めに縛り上げられ、その場に倒れこんでしまう。ロープの光は次第に薄れていき、普通の縄となって彼女を縛り上げている。
「ふふふ、コマンダー・ミキさん、いい格好ね!さっきのお礼をって言いたい所だけど、まずはきみを助けなくっちゃ!あなたはここでおとなしくしていてね!」
「畜生っ!離しなさ...もぐっ!...むむむむんっ!」
言いきらない内に、ミキは胡摩に猿轡を噛まされてしまった。
「さあ、胡摩ちゃん!急ぎましょう!」
「はいっ!」
ゆうかと胡摩は、走って部屋を出ていく。その姿を見ていたミキは、何故かうっすらと笑みを浮かべていた。

ゆうかと胡摩は、アジトの司令室にたどり着いた。戦闘員達を倒して、二人はメインモニターの前に立つ。モニターは9分割されていて、隠しカメラによってアジトの内部が映し出されていた。胡摩は、モニターのスイッチを巧みに操作する。この手の操作は、メカに強い彼女には造作も無い事だ。メインモニターの各画面が、ひとつひとつ切り替わっていく。
「見つけました!」
左上の画面に、縛られて柱に縛り付けられているきみが写っている。
「きみっ!」
「2階の、北側の部屋です。」
「OK!すぐ、助けに行きましょう!」
「はいっ!」
ゆうかと胡摩は、慌てて部屋を出ていく。しかし、彼女達はきみ救出を急ぐ余り、モニター右下の画面に映っている重要な事実を見落としてしまった。そこには、先程ゆうかが縛り上げられていた地下のお仕置部屋が映っていた。そしてその画面には、コマンダー・ミキが抜けた後の縄だけが映っていたのである。
二人は、きみが監禁されている部屋にたどりついた。
「えいっ!」
ゆうかの手刀が戦闘員を倒す。胡摩がドアを開ける。中に入った二人は思わず驚く。
「ようこそ。シバラレピンク、シバラレイエロー。」
きみは部屋の奥の柱に、後ろ手に縛り付けられている。気を失っている様で、うつむいたままで動かない。しかし、その直ぐ横には戦闘員が立っていて、その前には何と、コマンダー・ミキが立っているのだ。
「コマンダー・ミキ?!」
「どうして?縛られていたはずなのに...」
ミキは不敵な笑みを浮かべる。
「ふふっ、あんな子供騙しの縛りを、あたしが抜けられないとでも思ったの?」
更に戦闘員が二人、ミキの横に走り寄る。
「くっ!戦うわよ!イエロー!」
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