「な...何事?何が起こったの?!」
「分かりません!い...いったいこれは?」
司令室はパニック状態に陥る。慌ててミキは地下の独房へ向かう。そして、勢い良く独房の扉を開ける。
「い...いない!ど、何処へ行った?!」
そこにはゆうかと胡摩の姿は無く、二人を縛り上げていた縄が散らばっているだけだった。
アジトの裏の荒野を、4人の女戦士が駆け抜けていく。水色に紺の模様のレオタードスーツに身を包んだシバラレブルー、白地に黒の模様のレオタードスーツのシバラレホワイト、そして、2人によって救出された、シバラレピンクとシバラレイエローである。その行く手に、コマンダー・ミキと戦闘員達が立ちはだかる。
「やってくれたわね、シバレラレブルー、シバラレホワイト!でもここまでよっ!」
そう言うと同時に、戦闘員の1人が、後ろ手に縛り上げられ、猿轡を噛まされたきみを引き立てて来る。
「おめでたい人達ね。せっかく逃げ出しても、この人質がいたんじゃまた縛られるだけなのに...」
「おめでたいのはどっちかしらね?」
意外な方向からの言葉に、ミキは驚く!その声は、縛り上げられているきみからのものだった。見ると、いつの間にかきみの猿轡が外れている。
「同じ手が、そう何度も通用すると思ったの?」
その声は、明らかにきみの声ではなかった。
「ま、まゆ姉ちゃん?」
ゆうかも驚く。そう、さっきの騒ぎの間に、まゆみはきみを助け出し、彼女とすり代わっていたのだ!
「シバラレ・チェンジ!」
胸のペンダントがまゆみの叫びに反応し、激しく輝く。縄は飛び散り、近くにいた戦闘員も吹き飛ばされる。まゆみの体が光に包まれ、光の中から、真紅にピンクの模様のレオタードスーツに身を包んだ、一人の女戦士が誕生する。緊縛戦隊のリーダー、シバラレレッドである。
「とおっ!」
シバラレレッドは崖の上にジャンプする。ブルー、ホワイト、ピンク、イエローもこれに続く。ついに5人の戦士が集結する。
「真紅の薔薇!シバラレレッド!」
「青紫のハーブ!シバラレブルー!」
「純白の百合!シバラレホワイト!」
「春風の桜!シバラレピンク!」
「陽光のひまわり!シバラレイエロー!」
5人揃って、
「咲き誇れ!緊縛戦隊シバラレンジャー!」
「ええいっ!かかれっ!」
コマンダー・ミキの号令で、戦闘員達がシバラレンジャーに襲い掛かる。
「レッド・マイティーソード!」