ファンタジーベース司令室。ME指令官がデータ整理をしているところに、胡摩が入ってくる。
「指令!」
「ん?どうした、胡摩?」
「実は、自縛装置を改良して欲しいんですが...」
「何?もっときつく縛り上げる様にして欲しいのか?」
「違います!...この間、自縛装置で後ろ手に縛り上げられた後、口に特殊なギャグを入れられてしまったんです。それで、変身できなくって、縛られてるからどうすることもできなくなっちゃったんです。だから、万一の時に自分で解くことができる様にして欲しいんです。」
「そうか....分かった、考えておこう。」
「宜しくお願いします。」

胡摩が帰った後、ME指令は自分で自縛装置を使って見た。両手を後ろに回し、ボタンを押す。細い縄が手首にしっかりと絡みつく。
「これは結構きついな...縄抜けはちょっと難しいか?...どこか引っ張れば解けるという細工もしづらいな.....」
試行錯誤している指令を、影から華汝、ゆうか、のりこが覗いていた。
「華汝姉ちゃん、本当にやるの?」
「当然!司令官たるもの、隊員たちの苦労も肌身で知っていなくっちゃ!」
その手には、お仕置マシン2号、蜂型ロボットが握られていた。
「それっ!」
華汝は蜂型ロボットをME指令に向けて放つ。
「ん?....ぎょえええええええっ!」
ME指令は、実は大の蜂嫌いだったのだ。
「うわあああああああっ!た、たすけてくれえええええええっ!」
縛られたままで、錯乱して逃げ回るME指令。蜂ロボットはしつこくその後を追いかけていく。ゆうか達は思わず噴出して見ていた。
「ぐえっ!」
さんざん逃げまわった挙句、彼は壁に大激突して倒れてしまった。ゆうか達は慌てて中に入り、駆け寄る。
「し、指令!大丈夫ですか?」
「や、やり過ぎよゆうか!」
「えーっ!華汝姉ちゃんがやったんでしょ!」
ME指令の目はもはや正常ではなかった。
【第4話】  指令の一番長い日
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