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華汝の言葉に、照れくさそうにうつむいて頭を掻き毟るME。すこし置いて、全員に手のひらサイズの小型機械を手渡す。
「何ですか?これ?」
「あ...新しい自縛装置だ!十分に改良を加えてある。」
「すごい!もうできたんですか?」
胡摩が尊敬の眼差しで見つめる。こんな風に皆に慕われたのは初めてだったため、MEは恥ずかしくて顔を上げることができない。
「い...いいから使ってみろ!」
「はいっ!」
ゆうか達は皆両手を背中で組み、自縛装置のスイッチを押す。細い縄が飛び出し、彼女達の後ろ手の手首に絡みつく。それどころか、縄は胸の上下、膝、足首にも絡みつき、厳しく彼女達を縛り上げてしまった。
「あっ!...あんっ!...し、指令!これ、以前より数段きつくなってるんですけど...ああんっ!ど、どうやって解くんですかっ?」
「解けんよ...」
「えっ?!」
突然、MEの声のトーンが低くなる。
「その縄は絶対に解けないように、念入りに改良してある...お前達、今朝はよくもやってくれたな..」
「し...指令?...まさか...」
「お仕置きじゃあああああああああっ!」
「えーっ!」
「そ、そんなあっ!」
MEは部屋の隅から、網の籠を取り出す。中には、何やら動めく細長い物が入っている。
「し、指令!いたずらをしたのはゆうか達でしょ...あんっ!...あたしと胡摩は関係ないですっ!」
「お前達はチームだろう!連帯責任だっ!」
「ああん!そんなあ!」
「みんなっ!こうなったら変身して逃げるのよっ!」
「う、うん!シバラレ・チェンジ!」
眩い光が5人を包み込み、ゆうか達はシバラレンジャーに変身する。だが...
「ああん!どうしてっ!...縄が解けてないっ!」
「念入りに改良したと言っただろう!その縄は変身のエネルギーを吸収して、更にきつく締め上げるようになってるんだ!」
「あんっ!ほんとだわっ!...さっきより...きついっ!...ああんっ!」
もうゆうか達の両手は、肩甲骨のあたりまでねじ上げられていた。胸の縄は、胸を絞り出さん程に締め上げている。ちょっと動くだけでも、体に痛みが走る程である。
「ああん!...い、いたいっ!...はあんっ!...ゆ、許してくださいっ!...ああああんっ!」
MEは籠から物を取り出す。それは、うなぎ型のロボットだった。
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