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幻縛城の最下層、戦闘員達の居住スペースがある。今ここで、戦闘員達の井戸端会議が行われていた。
「なあ、俺達って何なんだろう?」
「はあ?」
「いつも出てってもすぐにやられてよお、台詞も無ければ、戦闘シーンもたいがい”一掃された”で終わるし...」
「うん。うん。」
「最初の頃は縛り上げたシバラレンジャーに悪戯する役もあったのに、今じゃそれさえチーズに取り上げられちまって...何か居ても居なくてもいいって感じだろう?」
「そういやあ、変身前のシバラレンジャーを縛る役も無くなってるよなあ。」
「そうだよなあ...」
「戦闘員って、一応これでも改造人間だろ?何でこんなに弱いんだよ?...仮面ライダーなんか酷かったよな!改造人間である戦闘員が、滝にやられるならまだしも、立花のおやじや、女の子にさえやられちゃうんだぜ!改造して、かえって弱くなってんじゃねえの?」
「納得いかねえよな!」
「うん。うん。」
「もうやってらんねよ!戦闘員なんて!」
「分かる...分かるでえ!」
「うわっ!...よ、ヨッシー様!」
いきなり集団の中に、腕組みをして頷いているヨッシーを見付け、驚く戦闘員達。
「お前等の気持ちは、よーく分かったえで!」
「あ...あの、ヨッシー様?」
「よっしゃあ!わいがお前等の為にひと肌ぬいだる!」
「ど...どうしてあなたがここに?...」
「そんなこたあどーでもええやろ!わいに任しとき!お前等に最高の見せ場あ用意したる!」
「は...はあ...」
戦闘員を差し置いて、一人熱くなるヨッシーであった。

ゆうかの親友きみは、今日の仕事を終え帰路についていた。電車の駅から家に向かって歩いている途中、突然目の前にナーワーの戦闘員が飛び出してきた。
「きゃあああ..んんっ!」
悲鳴を上げたきみの口を戦闘員が塞ぐ。そして、背後からも一人現れ、彼女を厳しく後ろ手に縛り上げられてしまう。きみは、恐怖のあまり気絶してしまった。
【第5話】  戦闘員はつらいよ
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