部屋の中央に後ろ手に縛り上げられ、天井に繋がれたゆうかを見つけて、胡摩は慌てて部屋に飛びこむ。警戒しながらのりこも後に続く。
『来ちゃだめっ!この部屋の中は幻縛界と同じなの!あなた達も後ろ手に縛り上げられちゃうわっ!』
ゆうかは叫ぼうとするが、言葉にならない。
「むんっ!むーっ!むーっ!」
胡摩達がゆうかのところにたどり着いた時、隠れていた戦闘員達が一斉に部屋に飛び込んで来る。
「ふん、やっぱりこんなことだろうと思ったわ!いくわよ!胡摩!」
「オッケー!」
「むううんっ!むむんっ!むんっ!(だめよっ!闘っちゃだめっ!逃げてっ!)」
のりこと胡摩は身構えて戦闘員を迎え撃つ。ゆうかは必死に叫ぼうとするが、やはり言葉にならない。
「えいっ!...え?!あっ!あんっ!」
胡摩のパンチ!しかし、戦闘員に簡単に受け止められ逆にその手を背中にねじ上げられてしまう。
「ホワイト・百烈拳!...え?!」
ホワイトは百烈拳を撃とうとするが、力の無いパンチが2〜3発出せただけで、戦闘員はびくともしない。
「へっ!痛くも痒くも無いぜ!」
そう言って、のりこの両手を掴み、力任せに背中にねじ上げてしまった。
「ああっ!...あんっ!どうしてっ?ち、力がでないわっ!」
「ほっほ〜っ!まんまと引っかかりよったな!」
ヨッシーが部屋の中に入ってくる。
「この部屋の中はな、簡易的に幻縛界と同じ状態になっとるんや!あんさんらの力は使えへんで!」
「な、何ですって?」
「そんな...ああん!」
もはや後ろ手に締め上げられてしまい、手も足も出ないのりこと胡摩。戦闘員達は二人を後ろ手に縛り上げていく。
「へへっ!もう逃げられないぜ!観念するんだなっ!」
「いやっ!離してっ!」
「ほらっ!じたばたするんじゃねえ!おとなしく縛られろっ!」
「あんっ!...だめっ!」
「ほっほ〜っ!ええ気味や!」
「むうっ!...むむむんっ!」
ゆうかの言葉にならない叫びも虚しく、のりこと胡摩は厳しく後ろ手に縛り上げられ、ゆうかの両横に同じ体勢で縛り付けられれしまった。
「あん!のりこ...ごめん!あたしが先走ったばっかりに...」
「ゆうかさん!助けられなくて、ごめんなさいっ!...あんっ!」
なす術の無い3人に、戦闘員達の魔の手が迫る。
「へへへ...今度はどうやって可愛がってやろうか?」
「いやっ!やめてっ!」