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ナーワー帝国は、深刻な人手不足に悩まされていた。先日の戦闘員達の暴走で、殆どの戦闘員が再生カプセル送りにされてしまい、現在作戦行動が可能なのがようやく復活したジャルバス将軍、ドクターb.b、コマンダー・ミキ、ウッチーの4人だけとなっていた。幻縛城では、魔王ナーワーの前に三大幹部が集まり激しい討論を交わしていた。
「こういう時は、下手に動かん方がええ。たまにはじっくりと作戦を練るのもよかろう。その方がいい計画が生まれるかもしれんじゃろ。」
「そんな悠長な事を言ってられるか!ただでさえ何日間も休んでいたんだ!ここでまたのほほんと休んでいては、シバラレンジャー達になめられてしまうわ!」
「あなたは、単に白銀の騎士にお返しをしたいだけでしょ?」
「悪いか?!あのような屈辱を受けておめおめと引き下がっていられるかっ!」
「でも、何の対策も練らずに出てっても、またやられちゃうのがおちよ。」
「何だと!」
「ええい、やめんか!ナーワー様の前で、みっともない!」
『お困りのようですね?』
その時、全員の頭の中に、何物かがテレパシーで語りかけて来た。驚いて、辺りを見回す三幹部達。
「な、何物だ?!」
「こ、この幻縛城には何物も侵入できんはず....い、いったい?」
うろたえる3人の前に、一人の男が瞬間移動して来る。黒いマントに全身を包んだ妖しい風体に似合わず、まだまだ幼さの残る顔立ちをした美少年である。
「お久しぶりですね、ドクターb.b。」
「ぷ、プロフェッサーちょこる?!」
「知っているのか?」
ジャルバス将軍がドクターb.bの方に向き直る。
「全銀河広しといえども、彼の右に出る者はいないと言われたほどのバイオテクノロジーの権威じゃ。最も、非道な人体実験が過ぎるんで全銀河に指名手配されとるがな。」
「自分の事を棚に上げて...あなたも似たような者でしょう。ドクター。」
「そんな事はどうでもいい!こんな辺境の星まで何しに来たんじゃ?!」
「もちろん、あなたの手助けに来たんですよ、ドクター...」
そう言って、プロフェッサーちょこるはうっすらと笑みを浮かべる。
「はん?!あんたみたいな子供に何ができるの?」
しばらく静観していたコマンダー・ミキがようやく口を開いた。
「私の力を疑っているのですか?...それに、私は子供ではありません!」
【第6話】  史上最大の緊縛
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