いやがる女性を、黒尽くめに黒サングラスの男が、無理やり後ろ手に縛り上げているのである。華汝はすかさず両手を背中に回し、自縛装置のスイッチを押す。細い縄が飛び出し、彼女を後ろ手に縛り上げる。
「シバラレ・チェンジ!」
華汝はシバラレブルーに変身する。
ゆうかは今日は休日で、久々に恋人の順とデートであった。お気に入りのピンクのブラウスを着て、目いっぱいお洒落をして待ち合わせ場所に駆け付ける。順は、既に待ち合わせ場所で待っていた。
「ごめん!待った?」
「いいや、今来たとこだよ。」
ゆうかは順の腕に抱きつき、二人は歩き始める。今日はゆうかの希望で、ショッピングに付き合ってもらう予定だった。しかしその時、ゆうかのペンダントが一瞬光る。ゆうかは直ぐに気が付いたが、順は気が付かなかった。
『これは...華汝姉ちゃんが近くで闘っている!...大変!行かなくっちゃ!』
ゆうかの様子がおかしいのに、順が気付く。
「どうしたの?」
「ご...ごめん!順君!実は大事な用事があったのを忘れていたの!...デートは、またこの次の休みの日まで待って!」
「え〜っ!何か前にもそんな事言ってなかったかあ?」
一瞬嫌な顔をした順だが、本当に困った表情で彼を見つめるゆうかを見て、ふっと一息つく。
「分かったよ...大事な用事じゃしょうが無い。だから、そんな顔するなよ。」
「本当にごめんね!...この次に、きっと埋め合わせするから...」
ゆうかは、半分泣きそうな顔になっている。
「大丈夫!怒ってないから...早く行きなよ。」
「うん!...ありがとう!」
ゆうかの顔に笑顔が戻る。そして彼女は、順に背を向けて走り去っていく。順はその姿が見えなくなるまで、暖かく見送っていた。
変身した華汝は、黒尽くめの男を投げ飛ばす。
「ひえええええええええっ!」
男は恐れおののいて、逃げ去ってしまう。華汝は、縛られて転がされている女性に駆け寄る。彼女は手首と胸、膝と足首を別々の2本の縄で縛り上げられていた。華汝は、彼女を助け起こす。
「大丈夫?」
「あ...ありがとうございます!」
華汝は、彼女を後ろ手に縛り上げている縄をほど....かずに、更に厳しく締め直してしまう。
「あんっ!な...なにをするんですかっ?」
「下手な芝居はもう止めたら?...コマンダー・ミキさん?」
「げっ!...ど、どうしてそれを?」