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よろけたジャルバスにラビ子・ボンバーが炸裂し、ジャルバスは大きく跳ね飛ばされてしまう。そして、シバラレンジャー達の横に、ME指令が駆け付けた。
「はあん!..み..みい..あっ!あんっ!..しれい...はあっ!はん!はああああんっ!」
すがるような目で、MEを見つめるゆうか達....しかし、次に彼が取った行動に、皆愕然とする。MEは懐から取り出した光線銃をゆうかに向け、ためらう事無く彼女を撃ったのだ!
「はあうっ!」
一瞬びくっと振るえた彼女の体は、直後に動きを止め、ぐったりとして微動だにしなくなってしまった。
「あん!...し..しれい...ああんっ!..な..なにを...あっ!はあああああんっ!」
驚くまゆみ達に、MEは次々と銃口を向け、ためらう事無く撃っていく。次々と動かなくなるシバラレンジャー達。
「あうっ!」
そして、最後に残った胡摩も撃たれ、シバラレンジャー達は全員動かなくなってしまった。
「な....気でも違ったの?」
隠れていた、コマンダー・ミキとウッチーが驚いて出てくる。ジャルバス将軍もあっけにとられている。白銀の騎士は、騒ぐ事無く、じっとその光景を見つめていた。そして、思いたった様に立ち上がる。
「そ...そうか!」
「ちっ!....気付かれたか!」
木の上のプロフェッサーちょこるは、唇を噛み締める。MEは驚いているミキ達の方に向き直り、解説を始める。
「この縄状特殊生命体は、何を頼りに獲物に取りついていたのか?こんな単細胞生物に知能はあるはずも無く、りっぱな触覚もあるはずが無い!....体温さ!彼女達の体温に反応して動いていたんだ!だから、一時的に皆を仮死状態にしたんだ!数分もすれば皆蘇生する....見ろ、体温が無くなれば、こいつらはこうなる!」
見ると、それまでシバラレンジャー達を厳しく縛り上げていたナワナワは、完全に動きを止め、彼女達の体から滑り落ちて、ただ傍らに横たわっているだけだった。
「イプシロン!」
MEは、今度は携帯用コントローラーを取り出して操作する。イプシロンのマジックハンドが、シバラレンジャーの体から離れたナワナワをかき集め、一箇所にまとめる。イプシロンは基本的に胡摩しか操縦できないが、設計者であるMEだけは、簡易コントローラーでの遠隔操作が可能なのだ。
「イプシロン・レーザー!」
イプシロン・レーザーがナワナワ目掛けて発射される。シバラレンジャー達を散々苦しめた縄状特殊生命体は、一瞬で消滅してしまった。
「今だ!白銀の騎士!」
「おおっ!」
ジャスティ・ブレードを拾い上げ、再びジャルバス将軍と対峙する白銀の騎士。
「ジャルバス将軍!借りを返させてもらうぞ!」
「それはこちらの台詞だっ!」
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