トレーニングを終えたゆうか達は、休息室でくつろいでいた。TVでは、連続婦女緊縛魔のニュースをやっていた。
「またあったの?何かこのところ、緊縛魔の事件が多くない?」
ジュースを飲みながら、TVに近づいてきた華汝が切り出す。
「そうね、これでもう5人目....匂うわね、これは。」
まゆみの言葉に、ゆうかが反応する。
「まさか?...ナーワー帝国?」
「胡摩!直ぐに指令に知らせて!指令なら、警察のマザーコンピューターにも潜入できるはずよ。犯人達に何か共通点が無いか、探ってもらうのよ!」
「はい!」
胡摩は、駆け足で部屋を出て行く。
ファンタジーベース指令室。ME指令の前に、ゆうか達5人が集合している。
「警察のマザーコンピューターで、犯人たちの素性を調べたが、全く共通点は無かった。ただ、ひとつだけ気になる事があった。」
「な..何ですか?」
「全員、仕事や家庭のトラブルで、過度のストレスが溜まっていた。警察は、それが原因とふんでいるらしいが、私にはそれだけとは思えない。それで、犯人の所持品を調べて見ると、犯人の一人が、最近できたカウンセリング会社の広告を持っていた。」
「カウンセリング?」
MEは、広告をコピーした物を皆に見せた。”仕事、家庭の悩み、何でもご相談にのります!”と大きな見出しが書いてある。会社の名前は、”NWカウンセリング”、カウンセリング料金は信じられないほどの格安。いかにも怪しそうな会社である。
「NWカウンセリング....ナーワーカウンセリング!そのままじゃない!」
「間違いなく、ナーワーが造ったニセ会社だろう!」
「じゃあ指令!さっそくあたし達が潜入して.....」
はやるゆうかを、MEは制止する。
「まあ、待て。奴らのターゲットは悩める中年男性だ。お前達が行ってもボロを出さんかもしれん。ここは、俺に任せろ。」
「指令が?!」
「俺も、悩める中年男性だからな。」
「でも、指令一人では危険です!」
ゆうかは心配して歩み寄る。
「いざとなったら、ラビ子を呼ぶ....心配するな。お前達は、ビルの外で待機していてくれ。」
「分かりました。」
駅前の総合ビル。この3Fに問題の”NWカウンセリング”が入っている。MEは一人、ビルの中へ入って行く。