ゆうか達は悶え、喘ぎながら、懸命にラビ子の後に続く。もし動きを止めれば、そのまま引きずられてしまう。そうなれば、更に厳しい刺激に襲われる事になる。少しでも刺激を和らげるには、出きる限りラビ子に近づき、縄が張り詰めない様にするしかないのだ。MEは冷たい笑みを浮かべながら、最後尾の胡摩の後ろをゆっくりと歩いて来る。1段、また1段と、ゆうか達は悶絶の階段を昇っていく。
「はあううううううんっ!..や..めて..はんっ!あはああああああんっ!」
「あああああんっ!し..しれい..ゆ..ゆるして..はああああああんっ!」
ゆうか達の責め苦は、それだけではなかった。MEのハイテクニックで厳しく後ろ手に縛り上げられているため、少しでも体を動かせば、全身に激痛が走る。しかし、ラビ子に引っ張られているため、動かないわけにはいかない。1段上がる度にゆうか達は激痛とも闘っていた。
「ああんっ!...も..もう..だめ......はあああんっ!」
「が..がんば..って...み..んな...あんっ!...さ..さいご..まで...はんっ!..あ..あきらめ..ちゃ..だ...だめ....あああああんっ!」
必死に気丈さを保つまゆみ、しかし、MEの究極の緊縛術でこれ以上は無いほど厳しく後ろ手高手小手に縛り上げられている彼女達には、全くあがなう術は無かった。
ファンタジーベース、地下のトレーニングルーム。催眠術にかかったMEにより、厳しく後ろ手に縛り上げられた桜が、懸命に縄を解こうともがいていた。
「あん!...何とか、この縄を解いて...ゆうかさん達を助けなくっちゃっ!...ああんっ!」
しかし、いくらもがいても、縄は一向に緩まなかった。
「ああん!...お兄ちゃん、何でこんなに縛るのが上手なの?全然解けない...うっ..うんっ!」
その時、桜は自分の上着のポケットから、紫色の光が発せられている事にようやく気付いた。
「あら?...な..何かしら?...」
桜は、懸命に体をくねらせ、ポケットの中の物を床に落とす。それは、桜が実家の蔵で見つけた、紫色の石であった。彼女は、司令室に潜入した際に、この石を自分の上着のポケットに入れていたのだ。だが、床に落ちた石は、もう光を発してはいなかった。
「ど..どうしてさっきは光っていたのかしら....まさか?」
ある事をひらめいた桜は、後ろ手でその石を掴み、縛られた不自由な体で何とかその場に立ち上がる。石は、再び激しく輝き始める。
「ええっと...何て言うんだったかしら.....」
桜は、ファンタジーベースのコンピュータをハッキングした際に見た、ゆうか達の変身時の掛け声を懸命に思い出す。
「そ..そうだわ!確か...し..シバラレ・チェンジ!」
桜の叫びに反応して、石の光は更に激しさを増す。眩い光が桜を包み込む。縄は飛び散り、光の中から、紫色のコスチュームに身を包んだ一人の女戦士が誕生する。桜は少し戸惑いながら、変身した自分の体をじっと見つめる。
「あ..あたしも、しばられ人の子孫だったんだわ!.....そ..そうだわ!こんな事してる場合じゃない!は..早くゆうかさん達を助けなくっちゃっ!」