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ゆうか達は、確かに後ろ手で喘いでいる。だが、縛られてはいないのだ。彼女達の体には、一切縄は掛かっていない。しかし、ゆうか達は、あたかも縄で厳しく後ろ手に縛り上げられ、更に激しく締め付けられているかのように悶え、喘いでいるのだ。
「そ..そうだ.俺は確かナーワーの罠に.....さ..催眠術か!」
MEは即座に状況を把握し、行動に移る。
「ラビ子おおおおおおっ!」
MEの掛け声に、それまで傍観していたラビ子が反応する。大きくジャンプし、サイミンガーの目の前に着地する。
「ラビ子・ボンバー!」
「グエエエエエエエエエエッ!」
サイミンガーは、ラビ子・ボンバーで激しく突き飛ばされてしまう。そのショックで、上空の目は消え、シバラレンジャー達は正気に戻る。
「あ..あれ?...あたし達、縛られてたんじゃ?」
「ど...そうなってるの?」
呆然とするゆうか達に、MEの激が飛ぶ。
「今だ!ファンタジー・アタックだ!」
「お..お兄ちゃん?!」
「指令!正気に戻ったんですね...は..はいっ!」
ゆうか達はファンタジー・フォーメーションを組む。最前列に桜も加わる。
「ファンタジー・アタック!」
「グウエエエエエエエエエエエッ!」
ファンタジー・アタックが炸裂!サイミンガーは、光の塊となって消滅する。
「ええい!覚えてらっしゃい!」
いつもの捨て台詞を残し、コマンダー・ミキはすたこらさっさと逃げて行った。

ファンタジーベース、トレーニングルーム。MEの前にゆうか達が集まっている。
「今日のお仕置は、ME指令よね!」
「散々ひどい目に合わされちゃったもんね!」
MEは、バツが悪そうに苦笑いをして、頭を掻いている。
「待って!」
桜が割って入る。
「お兄ちゃんは、催眠術で操られていたの!お兄ちゃんが悪いわけじゃ無いんです。許してあげて下さい!...お仕置なら、あたしが代わりに受けますから....」
そう言って、桜はゆうか達に背中を向け、両手を後ろに回して背中の高い位置で組む。
「し..縛って下さい!」
「さ..桜あ.....」
MEは、情けなさそうな顔をして桜を見る。そんな二人に、ゆうか達も毒気を抜かれてしまう。
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