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街中の、とある多目的ホールの地下。研究室の様な、部屋中機械で埋めつくされた部屋がある。その中で、しきりにその機械を操作している男がいる。ナーワー帝国の悪魔の科学者、ドクターb.bである。部屋の中央には、人が一人入れるくらいの大きさのカプセルが、二つ並んでいる。そのひとつに、厳しく後ろ手に縛り上げられ、膝と足首もがっちりと縛られた女性が入れられている。ナーワー帝国の女幹部、コマンダー・ミキである。
「あんっ!な..何をするの?ドクター...縄を解いてっ!ああんっ!」
新発明の実験に協力して欲しいと言われて、b.bに着いて来たミキであったが、地下室に着くや否やいきなり後ろ手に縛り上げられて、カプセルの中に入れられてしまったのだ。
「静かにせんか!今から、新発明の実験を始めるんじゃ!」
「な..何の発明なの?何で...あたしが縛られて、こんなところに入れられなきゃいけないの?...あんっ!」
「縛ってあるのは、変に暴れられて装置を壊されないためじゃ!....何の発明かは、今から分かる!」
  1. bは、手前のレバーを目いっぱい引く。あちこちのランプが点灯し、轟音と共に装置が起動し始める。
「な...何?...あっ!...あんっ!あはああああんっ!」
カプセルの中に、微弱な電流が流れ始める。電流の刺激に、思わず悶えてしまうミキ。
「はあんっ!...や..やめてっ....あああんっ!」
「ちょっとの辛抱じゃ!我慢せい!」
装置の轟音が次第に高まる。部屋の片隅に、中央のカプセルと遂になる様にもう二つのカプセルが設置されている。そのひとつの中を、幾筋もの稲光が駆け巡る。そしてカプセルの内部を激しい閃光が満たす。その中から現れた物は.......
「あん!....あ...あれは?.....」
「ふっふっふっ......成功じゃ.....」

ゆうかは休日で、一人で街にショッピングに来ていた。ブティックのショウウィンドウを眺めている時、彼女のペンダントが光った。
「これは...胡摩ちゃんからのシークレットコールだわ。何かしら?」
彼女達のペンダントに組み込まれている、しばられ人の残した石には、数々の機能が備わっている。変身機能はもちろんの事、ピンチの時のSOS発信、戦闘開始時にもその事を他の仲間に知らせてくれる。その為、彼女達は一人の時に敵に襲われても、直ぐに仲間が助けに駆け付けられるのだ。また、手に持って特定の相手の事を思えば、その相手だけに信号を送る事もできる。今回のシークレットコールがそれである。当然、しばられ人の子孫である彼女達でなければ、この機能を使う事はできないのだが。
ゆうかは、直ぐに胡摩のところへ駆け付けた。胡摩は、NFホールの前で待っていた。
【第9話】  ドクターb.b!悪魔の発明! 
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