「どうしたの?いくらJR−1の力に適わないからって、全く抵抗できない訳じゃないでしょ......まさか?本当に抵抗できないの?」
桜は、何も言葉を返せなかった。確かに、後ろ手にされては全く力が使えない。しかし、敵の前でそんな弱点を言える訳も無かった。
「まあいいわ。そっちが抵抗する気が無いんなら、このまま調べさせてもらうわ.....JR−1!この娘を厳しく後ろ手に縛り上げなさい!そして、カプセルの中に入れるのよ!」
「GAAAAAATS!」
(ああん!こんな化け物までいるなんて...こんな事なら、お兄ちゃんに言ってくるんだった....あんっ!お兄ちゃん!助けてっ!)
JR−1は、凄まじい力で桜を縛り上げていく。
「あんっ!い..痛いっ!...やめてっ!あん!はあああんっ!」
JR−1が縄を引き締める度に、桜の体に激痛が走る。その都度悶え、喘ぎ声を上げる桜。だが、桜は、唯々されるままに縛り上げられるしかなかった。膝と足首も厳しく縛られ、桜はとうとうカプセルの中に入れられてしまった。
「さあ、伝説のしばられ人の子孫の体、じっくりと調べさせて貰うわよ!」
女は、嬉々として装置を操作し始める。
「あんっ!やめてっ!...あっ!ああんっ!...はんっ!はああああああんっ!」
カプセルの中に、微弱な電流が流れ始める。桜は、全身が刺激され、徐々に感じて来てしまう。
「やめろっ!」
その時、洞窟の中に男の叫び声が木霊した。その声の元に目をやる女と桜。部屋の入り口には、MEの姿があった。
「お兄ちゃん!」
「え..ME君?!」
「やっぱりお前だったか!...冴子!」
3人、殆ど同時に言葉を発した。その言葉に驚いたのは、女..いや、冴子と桜だった。
「え?!...お兄ちゃん、この女を知ってるの?」
「お兄ちゃん?!...あなたME君の妹なの?彼は一人っ子って聞いてたけど....」
二人の疑問に、MEがまとめて答える。
「桜は、俺の妹分だ!本当の妹じゃない!...冴子は、俺の大学時代の友人だ。お前達以外で、俺が唯一しばられ人の事を話した女さ。あの当時は、俺も殆ど友人が居なかったからな。お互い、大学では異端分子で、気の合うのは冴子だけだった.....」
「そうよ!あたしの事を分かってくれたのは、あなただけだった.....でも、あなたは突然大学から居なくなってしまった....」
「それは....どうしてもやらなければならない事ができたからだ!」
桜は、それがナーワー帝国と闘うために、緊縛戦隊シバラレンジャーを組織するためだという事がすぐに分かった。しかし、ナーワー帝国もシバラレンジャーの事も殆ど知らない冴子には、そんな事が分かる筈も無かった。