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「研究を、一人占めするためでしょ!あなたの話した、伝説のしばられ人の事に、あたしは異常に興味を示した。だから、研究を一人占めにするために、あなたは私の前から姿を消した...」
「違う!」
「何が違うの?!現に、あなたはしばられ人の子孫を一人占めしてるじゃない!...ずるいわ!今度は、あたしの番よ!あなたに邪魔はさせない!」
「冴子!俺はお前の様に、自分の探求心を満たすために、しばられ人の事を研究していたんじゃ無い!」
「じゃあ?何の為なの?」
「世界の平和を守るためだ!その為に、しばられ人の残した力を借りているだけだ!研究は、その補助的な物にすぎない!」
「そんなのは偽善よ!自分の行為を正当化するために、理由をこじつけているだけだわ!」
「桜を離せ!冴子!」
「嫌よ!この娘は、もうあたしの物。邪魔するなら、あなたでも容赦しないわ!JR−1!」
「GAAAAAATS!」
冴子の命を受け、JR−1がのっしのっしとMEに向かって歩み始める。そして、その巨大な手をMEの前にかざす。
「これだけ言っても分からんのか!」
「JR−1!握り潰してしまいなさい!」
JR−1の両手が、MEに向かって伸びていく。
「あぶないっ!お兄ちゃん、逃げてっ!」
「ラビ子おおおおおおおおおおおっ!」
MEの掛け声と同時に、洞窟の天井をぶち抜いて、JR−1の目の前に超次元スーパー美少女アンドロイド・ラビ子が降り立った。等身大の女性型アンドロイドで、銀色の髪に、メタル製だが限り無く人間の女性に近いプロポーションをしている。
頭にはうさぎの耳が付いていて、何故か厳しく後ろ手高手小手に縛り上げられ、胸の上下、膝、足首にまでがっちり金属製の縄が掛けられている。どうしてこの様な格好なのかは不明だが、恐らくMEの趣味であろう。
「ラビ子ボンバー!」
「GAAAAAATS!」
ラビ子の胸は、強力なバネ仕掛けになっている。その胸が、勢い良く飛び出してJR−1を直撃した。JR−1は、大きく後方に跳ね飛ばされてしまった。
「うっ...さ..流石ね、ME君。それ程、精巧で人間に近いアンドロイドを造るなんて...でも、そんな華奢な腕じゃ、フルパワーのJR−1には適わないでしょう。それに、趣味に走りすぎよ!縛られていたんじゃ、満足に闘えないでしょう....JR−1!ハイパーモードオン!」
「GAAAAAATS!」
JR−1の目が輝き、全身から凄まじい電撃を発し始める。
「ハイパーモードのJR−1のパワーは通常の10倍!一撃で破壊してやるわ、ラビ子さん!」
JR−1が腕を大きく振り上げ、パンチを繰り出す。渾身の一撃が、ラビ子を襲う。
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