「バクー?!...ま、待ちなさいっ!」
急いでその場に駆け付け、子供を連れ去ろうとする戦闘員にキックを浴びせる。
「えいっ!」
「ぎゃあああああっ!」
何とか、一人の女の子は取り戻す。
「大丈夫?」
「..う..うん...でも..でも、お姉ちゃんが.....」
前方には、子供を抱えた戦闘員達が、大勢逃げていく。
「安心して!お姉ちゃんが、必ずみんなを助け出してあげるから!」
「...う..うん....」
レイコは、泣きじゃくる女の子を宥め、急いで戦闘員達の後を追う。しかし、一足遅く、彼らはトラックに乗り込んで走り出してしまう。
「えいっ!」
レイコは発信機を投げつけ、トラックの後ろにくっ付けた。そして、車に戻りナビのスイッチを入れる。ナビには、発信機を付けた車の動きが光で地図上に表示されている。
「逃がさないわよ!」
レイコは車を発進させ、通信機のスイッチを入れる。
「デルビル!」
『レイコか?』
「子供達を誘拐した、バクーのトラックを追跡中!奴らのアジトをつきとめるわ!」
『分かった!俺もすぐ後を追う!お前の発信機のスイッチも入れておいてくれ!』
「了解!」
レイコは、ナビを見ながらトラックを追跡していく。しばらくして、トラックの動きが止まる。
「止まったわ!ここがアジトかしら?」
レイコは、発信機の示す場所に急行する。そこは、殆ど回りに何も無い場所であった。トラックは道の脇に停車していた。レイコはトラックの後ろに車を停め、慎重に近づく。そっとトラックの荷台を覗きこむが、既に中には誰もいない。
「キーッ!」
突然、戦闘員達がレイコに飛び掛かって来た。
「やっぱり罠ね!....えいっ!....やあっ!」
襲い掛かる戦闘員を、次々に倒していくレイコ。しかし、戦闘員は次から次へと沸いて出てくる。
「サイコ・ビームガン!」
レイコは、ビームガンを取り出し連射する。戦闘員達は、みるみる一掃されていく。と、その時....
「とおーっ!」
「たあーっ!」
「いやーっ!」
3つの影が飛び出し、レイコの頭上で交差して、彼女を囲む様に着地する。