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「く..くの一三姉妹!」
「はああっ!」
くの一三姉妹は、3方から一斉に投げ縄を放つ。それぞれ、レイコの右手、左手、膝に絡みつく。
「あっ...あんっ!しまったっ!....」
くの一三姉妹の縄に絡め取られ、レイコは身動きができなくなってしまう。
「はははははっ!引っ掛かったな、女宇宙刑事!」
トラックの陰から、バクロー大佐が現れる。バクローはレイコに近づき、彼女の体を探り始める。そして、発信機を見つけ出してしまう。
「こんな物!」
「あっ!」
バクローは発信機を握りつぶしてしまう。

一方、こちらはハイウェイを疾走する一台のジープ。運転しているのは、デルビルである。彼は、ナビの点滅を見ながらジープを走らせているが、突然、その点滅が消えてしまう。
「うん?!....レイコ?.....何かあったのか?」

再び、バクーのトラック。山道を、奥へ奥へと進んでいく。トラックの荷台の中には、1箇所に固まって、泣きじゃくっている子供達が居る。その横に、厳しく後ろ手に縛り上げられ、膝と足首も縛られたレイコが横座りしている。
「みんな!必ず助けてあげるから、安心して!」
捕らわれの身でありながら、懸命に子供達を元気付けるレイコ。そのレイコを、横に座っているくの一三姉妹が鼻で笑う。
「ふふふっ...助けが欲しいのはあなたじゃないの?」
「後ろ手に縛り上げられて、どうやって子供達を助けるの?」
「発信機は壊したから、デルビルを待ったってムダよ!」
レイコはキッと三姉妹を睨みつける。

しばらくして、トラックは山中のバクーのアジトに到着する。レイコは、厳しく縛り上げられた格好のまま、独房の中に放り込まれた。
「あっ!あんっ!」
縛られているので受身がとれず、床に叩きつけられてしまうレイコ。
「そこで、おとなしくしていなさい!」
そう言って、三姉妹はドアを閉め、カギを掛けてしまう。レイコはもぞもぞともがき始める。
「あん!...な..なんとかこの縄を解かなくっちゃっ!...うん!あんっ!あんっ!」
懸命にもがくレイコだが、縄の締め付けは厳しく、とても解けそうにない。
「だ..だめっ!解けないっ!...こ..こうななったら、最後の手段だわっ!」
レイコは動きを止め、そっと目を閉じる。そして、体の力を抜く。
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