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「ば..縛烈獣!」
「グワアアアアアアアアアアッ!」
センノウンは、レイコに向って飛び掛かってくる。レイコは、ベルトのバックルのスイッチを押す。淡い光が、彼女の体を包み込む。彼女の着ている服は強化服で、ハイパーモードのスイッチを押す事により、5分間だけ通常の10倍の運動能力を発揮する事ができるのだ!
「とおっ!」
飛び掛かって来るセンノウンを、レイコは巧みに交わす。そして、背後からキックを浴びせる。
「えいっ!」
「グエエエエエエエエエエッ!」
センノウンは勢い余って1回転してしまう。
「行くわよっ!」
更に、攻撃を仕掛けようと、走り寄るレイコ。が、その時.....
「ガアアアアアアアアアアッ!」
センノウンは、振り向きざまに白い煙を口から吐いた。その煙はレイコの体を包み込む。
「あっ!ああんっ!」
煙が晴れた時、レイコはその場に立ち竦んでいた。何故か、自ら両手を後ろに回し、背中高くで交差させ、両足をぴっしりと揃えている。そして、その姿勢のままで、懸命に体をくねらせているのだ。
「あん!...緊縛ガスだわっ!...しまったっ!あん!あんっ!」
「はあっはっはっ!いい格好だな!女宇宙刑事!」
そこに、バクロー大佐とくの一三姉妹のツサカとミッキが入ってくる。
緊縛ガスとは、バクーがナワント星を滅ぼす為に開発した特殊ガスである。ナワント星人は、特殊な超能力をもっていた為、その超能力を無力化するために開発された物で、ナワント星人の体にだけ反応する様に造られており、このガスを吸うと、両手は後ろ手高手小手に固定され、両足もピッタリと揃えた形のまま、動かす事ができなくなってしまうのだ。
「連れていけっ!」
「キーッ!」
バクローの命により、戦闘員達がレイコを担ぎ上げ、部屋の外へ運んで行く。
「あんっ!...いやっ!離してっ!」
懸命にもがくレイコ。しかし、両手、両足が動かせなくては、どうする事もできなかった。
「むふううんっ!むむんっ!むむむむんっ!」
レイコを抱えた戦闘員と入れ替わりに、厳しく後ろ手に縛り上げられ、猿轡を噛まされたユーカが入って来た。膝と足首も縛られているため、ここまで飛び跳ねて来たのだ。そこまで何とかバランスを保っていたが、バクローの前でバランスを崩して倒れ込んでしまう。
「むふん!むん!むむむむむむんっ!」
”助けて下さい!”とでも言っているのであろうか?すがるような目でバクローを見詰めている。しかし、バクローは冷めた目で言い放つ。
「まぬけめっ!しばらくそうしていろっ!」
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