今夜はクリスマス・イヴ、シバラレンジャー達は皆でクリスマスパーティーをやろうという話になり、ファンタジーベースに集まっていた。最も部屋が広い為、会場は地下の特訓室(別名お仕置き部屋)となっていた。部屋には大きなツリーが飾られ、胡摩と桜が飾り付けをしている。
「わあ!これ可愛い!」
「ちょっと桜ちゃん!マスコットに見とれてばかりいないで、もっと手を動かしてっ!」
ちょっと可愛い飾りを見つけると、すぐ見とれて手が止まる桜を、胡摩が叱咤する。
部屋の隅では、ゆうかが壁に飾り付けをしている。本来ならイヴの夜は順と2人きりで過ごすところなのだが、たまたま順がどうしても外せない仕事が入ってしまった為、皆とのパーティーに参加していた。そしてのりこは、イスやテーブルを並べていた。まゆみと華汝の姿は見えない。
「おまちどうさま!」
そこへ、大きな皿を抱えたまゆみと華汝が入って来る。二人は、それをテーブルの上に並べて行く。
「わあっ!おいしそう!」
そこには、豪華な料理が並んでいた。まゆみと華汝はキッチンで調理をしていたのだ。
「あら?そう言えば指令は?」
辺りを見回して、華汝が指令が居ない事に気付く。
「ああ、だいぶ前に出掛けました。何か用事があるみたいで.....でも、パーティーまでには戻るって......」
ツリーの飾り付けをしながら、桜が答える。
「ふうん......まあいいわ、早く準備を済ませましょ!」
そう言って、華汝は再びキッチンに向かう。まゆみも、これに続く。
夕暮れの街角、クリスマスイヴと言う事で、やたらと人が多い。これから食事に出かける者、誰かと待ち合わせをしている者、店の呼び込み、サンドイッチマン等々。その人ごみの中を、いつもの白衣を黒いコートに変えて、ME指令が歩いて行く。
(いつも平和の為にがんばっているあいつらに、今日くらいは豪華なプレゼントを買ってやるか......)
足を止め、懐からサイフを取り出すME。その中身を眺めて、ハッと溜息をつく。
「しかし.........この軍資金じゃ大した物も買えないな.........」
落ち込むMEの目に、煌びやかなネオンの光が飛び込む。顔を上げ、そのネオンに目を向けるME。そこには、“P ACHINKO”の文字が...........
「よしっ!」
意を決し、MEは一発勝負に全てを賭けるべく、ネオンの元へ入って行った。
緊縛戦隊シバラレンジャー・クリスマススペシャル − 宇宙からの贈り物 −