「うん!準備完了っ!」
ツリーや部屋の飾り付けも終わり、料理も並べ終わった。後は、指令の帰りを待ってパーティーを始めるだけだ。
「しかし.......遅いわねえ指令........もうすぐパーティー開始時刻よ!」
「まさか、今年最後の勝負ってパチに行ってんじゃないでしょうね?」
「まっさかあ!」
指令をサカナに、談笑するまゆみ達。クリスマスパーティーという事で、皆準備が終わった後にお洒落な格好に着替えていた。まゆみは真っ赤なロングドレスに、真珠のネックレス、普段ストレートな髪も綺麗にまとめ上げている。のりこは髪はいつものままだが、百合の花を飾りに付け、ノースリーブの白いドレスを纏っている。胡摩はそれこそアイドル歌手の様なひらひらのいっぱいついたドレスを着て、お姫様の様な髪飾りを付けている。そして、桜は仮装パーティーと勘違いしているのか、紫のチャイナドレスを身に付けていた。だが、もっと凄いのは華汝である。お腹丸出しの黒のホットパンツ姿に黒の皮のブーツと手袋、いわゆるボンデージルックである。
「ちょっと華汝!何なのその格好?」
「ふふっ.....いいじゃない。後でちょっと余興を考えているのよ!」
その言葉を聞いて、胡摩は思わず身震いする。まさか余興とは、お仕置きなのではあるまいか?そうなると、標的は間違い無く自分かゆうかである。せっかくのパーティーの夜くらい、お仕置きは勘弁して欲しい......刹那にそう思う胡摩であった。
さて、問題のゆうかの格好は...........
「メリー・クリスマス!」
ようやく着替えの終わった、ゆうかが部屋に入って来る。ゆうかは真っ赤なミニのサンタ姿で、赤いブーツを履いてサンタ帽を被っている。そして、右の脇に大きなリボンの付いた箱を抱えている。
「ゆうか姉さん可愛い!」
「あら?....それはゆうかのプレゼント?」
「え?....ううん、違うの。さっき宅配便で届いたのよ。」
ゆうかは、プレゼントをテーブルの上に載せる。皆が、その周りに集まって来て、まゆみがメッセージカードを取る。
「.....ファンタジーベースの皆さんへ、感謝とお礼を込めて.........差出人が書いて無いわ!良く届いたわね......」
まゆみは、その包みに何となく不信感を抱く。
「ねえ!開けてみましょうよ!」
「危険じゃない?差出人が書いて無いなんて.....」
「まさか?......爆弾か何かだったりして......」
「ええええええっ!!」
桜の言葉に、皆一斉にプレゼントから離れる。
「と....とにかく、危険な物じゃないかどうか調べましょう!」