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突然、ツカサがキョウミに声を掛ける。それと同時にキョウミは大きく飛び上がり、ツカサの前に飛び降りてリュウ元帥のまん前に立つ。
「ふん!貴様から俺の餌食になりたいか?」
「はあん!リュウ元帥さまああああああああっ!」
前に立ったかと思うと、キョウミは悩ましげなポーズをとってリュウ元帥を誘惑する。
「は?......何をばかな事を!ナーワーの幹部がそんな色仕掛けに.......」
と言いかけたところで、ミキはその場の異常さに気付く。先程まで止まる事無く前進していたリュウが足を止め、硬直した様に動かなくなっている。そして、彼の目はキョウミに釘付けになっていた。
「うふううんっ!りりしいお方!」
キョウミは、そのままリュウに抱き付く。普段のリュウならたちどころに払い除ける筈だが、何故か今のリュウには全く拒む様子が無い。
「ねえ〜リュウさまあ.......あたし達に代わって、あいつらをやっつけてええええ!」
「......うむ.........心得た!」
何と、リュウはキョウミの誘惑に負け、ミキ達の方に向かって歩き始めた。
「え??......ど.......どういう事????」
状況が理解できず、困惑するミキと親衛隊員達。
「りゅ.....リュウ元帥!どうなされたんですか?!」
心配して、戦闘員達が彼の元に駆け寄る。
「ぬおおおおおおおおおおおおおっ!!」
ところが、リュウは剣を振り回し、そんな戦闘員達を攻撃し始めた。
「キイエエエエエエエエッ!!」
「や.....やめて下さい!!りゅ....リュウ元帥!!」
「ギイヤアアアアアアアアッ!!」
あっという間に、戦闘員軍団は一掃されてしまった。
「ど....どうしたの?!リュウ元帥.....ま....まさか本当にあんな小娘の誘惑に....」
その時、ツカサが再び高笑いを始める。
「ホオッホッホッホッ!!どう、これがキョウミの特殊能力よ!彼女の目からは男だけに反応する特殊なフェロモンが発せられているの!それに掛かれば、どんな男であろうともうキョウミの虜になるのよっ!」
「そ......そんなっ!」
じりじりと、ミキ達に迫るリュウ。
「さあ!リュウさまあ.....早く、コマンダー・ミキをやっつけてえっ!!」
「ぬおおおおおおおおおおおっ!!」
キョウミの言葉に反応して、剣を振り上げてミキ目掛けて突進を始めるリュウ。
「ミキ様っ!!」
あまりの事に硬直してしまったミキの代わりに、親衛隊員達が一斉にリュウ元帥に飛び掛る。しかし....
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
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